
上色見熊野座神社の参道は、杉木立の中を約100基の灯籠が続き、突き当りに風穴の空いた巨岩が待つ。アニメの舞台に似ていると話題になったが、元は地元の氏神で、今も生活の場にある。石段は300段近くあり、雨の日は滑る。この記事では福岡からの動き方、参拝の現実的な所要時間、南阿蘇の湧水や根子岳と組み合わせた2泊3日の組み立てを示す。
高森は、行き先を決めるより先に「どこが何の役割か」を掴んだほうが早い。2泊3日で全部は回れないので、下のうち3〜4か所に絞るのが現実的。
高森町の東側にある集落。上色見熊野座神社の参道が杉木立の中を登り、その先に穿戸岩がある。周囲に商業施設はほとんど無く、宿が数軒点在する。
南阿蘇鉄道の高森駅がある。田楽の店や宿が集まり、この旅で最も選択肢が多い。上色見までは車で10分ほど。
白川水源をはじめ湧水群が点在する。天文台があり、標高が高く光が少ないため星がよく見える。高森から車で20〜30分。
高森の北にそびえるギザギザした稜線の山。高森から見上げる形になり、宿や道路のどこからでも視界に入る。登山せずとも眺めが旅の一部になる。
優先するものを変えた3本。そのまま使っても、いいところだけ抜き出して組み替えてもいい。時刻はすべて目安。
初めて訪れ、上色見を中心に組みたい人
レンタカーで九州道を南下し、阿蘇方面へ。休憩を入れて約3時間。
高森名物の田楽を取る。囲炉裏で串を焼く店が中心部に何軒かある。
午後の斜光が杉木立に差し込む時間帯。石段を登って本殿へ、さらに穿戸岩まで進む。往復1時間半。
上色見または高森中心部の宿へ。翌朝に備えて早めに休む。
誰もいない時間に再訪する。朝靄が杉木立に残ることがあり、昼とはまるで違う。近くに泊まる意味がここにある。
車で30分ほど。白川水源で湧き出す水を見て、容器があれば汲んで帰る。
南阿蘇には水源が点在する。2〜3か所を回り、途中で食事を取る。
高森方面へ戻りながら、草原越しにギザギザの稜線を見る。展望のいい道が続く。
天文台か、宿の外へ出る。晴れて新月に近ければ天の川が見える。
最終日はトンネル内を歩く。雨でも行ける場所なので、天候が崩れたときの受け皿にもなる。
時間が許せば3回目の上色見。同じ場所を時間を変えて見ることが、この旅の主題。
高森または大津周辺で。阿蘇の乳製品や地の野菜が手に入る。
渋滞を見込んで早めに出る。
星を見ることを目的にしたい人
夜が主役なので出発を遅らせる。
到着後すぐ参道へ。夕方の光が最も雰囲気が出る時間帯。
南阿蘇のオーベルジュへ。夕食はフレンチ。
星のコンシェルジュの解説付き。曇っていても室内で解説がある。
夜更かしした分、朝は無理に早く起きない。
南阿蘇の水源を回る。木陰が多く、夏でも涼しい。
阿蘇の外輪山沿いを走る。視界が開けた道が続く。
2泊目を変えて、料理宿に泊まる。
高森側も光が少ない。天文台とは違う、何もない夜空を見る。
最終日の朝に上色見へ。人がいない時間を最後に持ってくる。
時間があれば奥まで。風穴から空が抜けて見える。
高森で田楽を食べて帰路へ。
最終日は移動を早めに始める。
上色見だけでなく、阿蘇の全体像も見たい人
早めに出て阿蘇に先に寄る。
火山ガスの規制情報を確認してから向かう。草千里の草原と火口の対比が阿蘇の顔。
外輪山を回って南へ。景色が草原から集落へ変わる。
夕方の参道を歩く。初日の締めくくり。
人のいない時間に再訪。穿戸岩まで登る。
白川水源など2か所ほど。水と森の時間。
トロッコ列車が走る区間がある。運行日を確認して乗れれば、車とは違う速度で景色が流れる。
料理宿に入り、夕食に時間をかける。
最後にもう1か所。トンネル内は年間を通して涼しい。
帰路の途中で外輪山の展望台へ。阿蘇五岳を一望して締める。
内牧か大津で。
日曜の夕方は渋滞しやすい。余裕を持って出る。
| 交通(福岡〜高森 往復・レンタカー含む) | 約14,000〜22,000円 |
|---|---|
| 宿泊(2泊・1名) | 約13,000〜34,000円 |
| 食事(3日分) | 約8,000〜14,000円 |
| 入館料・観望料など | 約2,000〜5,000円 |
| 合計の目安 | 約37,000〜75,000円 |
※1名あたりの概算。時期・人数・宿のプランによって変わる。
上の行程に出てくる場所を、もう少し詳しく。
杉木立の中を灯籠が連なる参道が続き、苔むした石段を登る。神域の空気が濃く、天気や時間帯で表情が大きく変わる。地元の氏神であり、静かに参りたい。
石段は約300段。歩きやすい靴で。雨後は特に滑る
神社の本殿からさらに登った先にある巨岩で、中央に大きな風穴が開いている。健磐龍命の従者が蹴破ったという伝説がある。穴の向こうに空が抜けて見える。
本殿から片道15分ほどの登り。時間に余裕を見る
南阿蘇の湧水群を代表する水源で、毎分60トンが砂を巻き上げながら湧き出す。水は持ち帰れる。周囲は木立に囲まれ、夏でも涼しい。
容器を持参すると水を汲んで帰れる
鉄道トンネルの掘削中に大量出水して工事が中止された跡を公園にしたもの。トンネル内を歩け、水が流れ続けている。夏でもひんやりする。
雨の日でも過ごせる。天候の予備として持っておく
周囲に街明かりが少なく、晴れた夜は天の川が見える。天文台では望遠鏡での観望ができ、解説付きで案内される。
新月前後が最も濃い。宿は天文台併設が確実
楽天トラベルに掲載されている実在の宿から選んでいる。料金・空室は各宿のページで確認できる。





春は新緑が参道の杉と苔を鮮やかにし、南阿蘇の野焼き後の草原も広がる。夏は木立の中が涼しく、湧水と組み合わせると過ごしやすいが、夕立が多い。秋は空気が澄んで根子岳の稜線がはっきりし、星も最も見える季節。冬は霜と雪で石段が滑りやすくなるため足元に注意が要るが、参拝客が最も少なく、静けさは一年で最も深い。
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写真:Olegushka/CC0(Wikimedia Commons)