
有馬温泉は坂道の多い狭い温泉街に、金泉・銀泉という二種の湯と外湯・内湯の選択肢が詰まっている。大阪から近いぶん日帰りで済ませる人も多いが、それでは湯治の本来の楽しみ方には届かない。この記事では1泊2日で無理なく回れる順番と、予算5万円に収まる宿の選び方を示す。坂の上り下りをどう配分するかが、この温泉街を歩く上でのいちばんの鍵になる。
有馬温泉は、行き先を決めるより先に「どこが何の役割か」を掴んだほうが早い。1泊2日で全部は回れないので、下のうち2〜3か所に絞るのが現実的。
金の湯・銀の湯を中心に土産物店や飲食店が坂に沿って並ぶ。宿へ入る前後の時間に歩いて回るのに向く区域。
温泉寺や太閣の湯殿館跡など、有馬温泉が古くから湯治場だった歴史に触れられる一角。坂を少し上るが距離は短い。
ロープウェーで六甲山頂へ上がれる区域。2日目の午前、宿を出た後に立ち寄る形で組み込みやすい。
優先するものを変えた3本。そのまま使っても、いいところだけ抜き出して組み替えてもいい。時刻はすべて目安。
有馬温泉が初めての人、限られた時間で全体像をつかみたい人に向く
梅田や三宮から鉄道とバスを乗り継ぎ有馬温泉へ向かう。片道の交通費は1000〜1500円ほどが目安。
到着後まず金の湯へ。茶褐色の湯に浸かり、旅の疲れを流しながら温泉街の雰囲気に馴染む。
土産店が並ぶ通りをそぞろ歩き、炭酸せんべいなど名物を見て回る。狭い坂道が多く歩きやすい靴がよい。
温泉の歴史や湯の成り立ちを伝える施設に立ち寄り、有馬という土地の背景を知ってから宿に向かう。
宿にチェックインし、大浴場でゆっくり湯に浸かってから夕食。一泊二食で1名2万円台からが目安。
温泉街の起こりに関わる寺を訪ね、静かな境内で温泉の歴史に触れる朝のひととき。
ねね橋から有馬川親水公園を歩き、川沿いの景色を眺めながらゆっくりと足を進める。
無色透明の銀の湯に入り、旅の締めくくりに体を温める。金の湯とはまた違う泉質を楽しむ。
土産を買い足してから鉄道とバスで大阪へ戻る。昼過ぎには到着し、午後の予定にも余裕が残る。
観光より休養を優先したい人、宿で過ごす時間を大切にしたい人に向く
昼過ぎに出発し、鉄道とバスで有馬温泉へ。移動時間は1時間半ほど、交通費は往復2000円前後が目安。
到着してすぐ金の湯に立ち寄り、これからの一泊二日の湯治気分を整える。長居はせず宿を優先する。
早めにチェックインし、荷物を置いて部屋でひと息つく。外を歩き回らず静かな時間を過ごす。
大浴場や内湯に間隔を空けて何度も入り、体を芯から温める。休憩と入浴を繰り返すのが湯治の基本。
部屋食や食事処でゆっくり夕食をとり、消化が落ち着いた頃に再び湯へ。就寝前にもう一浴する。
チェックアウトまで時間があるうちに朝湯へ。前日の疲れが抜けているか体で確かめる時間。
荷造りを済ませたら、ぎりぎりまで部屋や休憩スペースでのんびりし、慌ただしさを避ける。
外湯の銀の湯に立ち寄り、宿の湯とは違う泉質で最後の一浴。帰路前の体調を整える。
昼前に有馬を発ち、鉄道とバスで大阪へ戻る。二日間で1名3万円台に収まる組み方が目安。
温泉だけでなく景色や自然も楽しみたい人、一泊でも行動範囲を広げたい人に向く
鉄道とバスを乗り継ぎ有馬温泉へ。移動は1時間半ほど、交通費は往復2000円前後を見ておく。
到着後まず金の湯で汗を流し、温泉街の空気に触れる。荷物はロッカーなどを利用すると身軽になる。
温泉寺を中心とした一帯を歩き、有馬の歴史を感じる。坂道が続くので時間に余裕をもって歩く。
日が傾く前に宿に入り、大浴場で汗を流してから夕食。翌日の六甲山方面に備えて早めに休む。
出発前に朝湯に入り、これから向かう六甲山方面での行動に備えて体をほぐしておく。
チェックアウト後、六甲山方面へ足を延ばす。有馬温泉とはまた違う山の空気を感じに向かう。
高台から周囲の景色を眺め、温泉街とは違う開けた時間を過ごす。歩きやすい服装が向く。
ねね橋・有馬川親水公園の辺りまで戻り、土産店で買い足しをしてから大阪への帰路につく。
| 交通費(大阪発着・往復バスまたは電車) | 約2,000〜2,600円 |
|---|---|
| 宿泊(1泊2食・1名) | 約7,000〜23,000円 |
| 外湯入浴(金の湯・銀の湯合計) | 約1,000〜1,500円 |
| 食事・土産・拝観など雑費 | 約3,000〜5,000円 |
| 合計の目安 | 約13,000〜32,000円 |
※1名あたりの概算。時期・人数・宿のプランによって変わる。
上の行程に出てくる場所を、もう少し詳しく。
茶褐色の濁り湯を楽しめる外湯。有馬温泉を象徴する泉質のひとつで、温泉街の中心に位置する。館内は洗い場と浴槽のみのシンプルな構成。
午前の早い時間は空いていることが多い
透明な炭酸泉系の外湯で、金の湯とは対照的な湯質を味わえる。金の湯からは坂を少し上った位置にあり、両方を回る人が多い。
金の湯とセットで回るなら徒歩10分ほど見ておく
豊臣秀吉が愛したと伝わる湯治場の遺構に関する史跡。発掘された湯山遺跡の一部を見ることができ、有馬の歴史を知る手がかりになる。
滞在は短時間で済むので移動の合間に組み込みやすい
温泉街を流れる有馬川沿いの散策路。橋のたもとから川沿いを歩けるようになっており、宿へ向かう前後の腰を休める場所にもなる。
夕方から夜、灯りがつく時間の散策が向く
有馬温泉の起源に関わると伝わる古刹。境内から温泉街を見下ろす位置にあり、坂を上った先にある落ち着いた空気の場所。
坂道なので歩きやすい靴で向かう
楽天トラベルに掲載されている実在の宿から選んでいる。料金・空室は各宿のページで確認できる。





春は温泉街の坂道沿いに桜が点在し、外湯へ向かう道が華やぐ。夏は六甲山方面へ足を延ばすと涼しさが違い、温泉街との気温差を楽しめる。秋は山麓の紅葉が温泉街を囲み、湯上がりに歩く時間が最も心地よい季節になる。冬は湯気の立つ外湯のありがたみが増し、雪化粧した山を宿の窓から眺められることもある。
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写真:663highland/CC BY 2.5(Wikimedia Commons)