
出雲大社を参拝して帰る人は多いが、そこから車で20分の海岸線まで足を延ばす人は少ない。稲佐の浜は神々が上陸するとされる砂浜で、弁天島の向こうに日が沈む。さらに北の日御碕には日本一高い石造の灯台が立ち、水平線まで遮るものがない。夕日は1日1回しかないので、天候を考えると2泊して2回の機会を持つのが現実的。この記事では大阪からの動き方、参拝の順序、夕日を軸にした2泊3日の組み立てを示す。
出雲は、行き先を決めるより先に「どこが何の役割か」を掴んだほうが早い。2泊3日で全部は回れないので、下のうち3〜4か所に絞るのが現実的。
大国主大神を祀る。大しめ縄で知られる神楽殿と、本殿を囲む摂社群がある。参道は松並木で、下り参道という珍しい構造。門前町の神門通りに店が並ぶ。
出雲大社から車で10分ほど。砂浜に弁天島が立ち、その向こうに日本海が広がる。旧暦10月に全国の神々が上陸するとされる浜で、砂を持ち帰って素鵞社に納める習わしがある。
稲佐の浜からさらに海岸線を北へ20分。高さ43mの白い石造灯台が立ち、登れる。手前に日御碕神社があり、朱塗りの社殿が海を背にしている。
松江市にある古い温泉地。出雲大社から車で40分ほど離れるが、宿の質と数がこの一帯で最も充実している。2泊のうち1泊をこちらに振る人が多い。
優先するものを変えた3本。そのまま使っても、いいところだけ抜き出して組み替えてもいい。時刻はすべて目安。
初めて出雲を訪れ、要所を順に押さえたい人
特急やくもで岡山経由、出雲市駅まで約5時間。飛行機なら午前中に着く。
下り参道を進み、神楽殿の大しめ縄を見る。拝礼は二礼四拍手一礼。本殿を一周して摂社も回る。
門前町でそば屋や土産物を見る。出雲そばは割子で食べる。
日没30分前に着く。弁天島のシルエットの向こうに日が沈む。1回目の機会。
大社門前か出雲市駅前の宿へ。
参拝客がいない時間に再訪する。松の参道に朝の光が差し、昼とは印象が変わる。
浜の砂を持ち、素鵞社へ納めに戻る。順序があるので前日ではなくこの日に。
海岸線を北へ20分。日御碕神社の朱塗りの社殿を見てから、灯台に登る。展望台から日本海を見渡す。
日御碕は魚が上がる。イカやサザエを扱う店がある。
2回目の機会。稲佐の浜と違い水平線まで遮るものがない。前日が曇りだった場合の保険にもなる。
2泊目を温泉に振る。車で約1時間。
玉造温泉でゆっくりする。3日目は移動が中心なので急がない。
時間があれば松江へ。国宝の天守か、宍道湖の湖畔を歩く。
松江か出雲市駅で。出雲そばと地酒。
やくもで戻る。指定席を先に押さえておく。
夕日が第一目的で、確率を上げたい人
出雲市へ。到着後すぐ海側へ向かう。
灯台に登り、周囲の遊歩道を歩いて撮影場所を決めておく。
日御碕で水平線に沈むのを待つ。
海側に近い宿を取り、翌日も動きやすくする。
人のいない時間に参拝する。
砂を取り、本殿裏の素鵞社へ納める。習わしの順序どおりに回る。
割子そばを食べ、午後は無理に動かない。夕方に備える。
今度は稲佐の浜で。弁天島を入れた構図。前日と場所を変えることで、どちらかが当たる確率が上がる。
同じ宿に泊まる。荷物を動かさない。
3日目の朝にもう一度参る。同じ場所を繰り返し見るのがこの行程の趣旨。
土産を買い、出雲そばを昼に取る。
やくもか飛行機で戻る。
最終日は移動中心。
詰め込まず、温泉に時間を割きたい人
急がず出る。
到着後すぐ大社へ。神楽殿と本殿を回る。
この行程で夕日を狙うのは1回だけ。
大社から車で30分ほど。日本三美人の湯に入る。
急がず湯に入る。この行程は移動を減らすことが目的。
灯台と日御碕神社を昼に回る。夕日を待たないので時間に縛られない。
日御碕の魚を食べる。
2泊目を別の温泉に。湯を変えると2泊が単調にならない。
この行程の主役は宿の食事。
最終日も湯に入る。
天候で選ぶ。宍道湖の夕日は有名だが、この行程では昼に湖畔を歩く。
松江で。和菓子が名物。
やくもで戻る。
| 交通(大阪〜出雲 往復・現地移動含む) | 約16,000〜26,000円 |
|---|---|
| 宿泊(2泊・1名) | 約12,000〜38,000円 |
| 食事(3日分) | 約9,000〜16,000円 |
| 灯台入場・拝観・雑費 | 約2,000〜4,000円 |
| 合計の目安 | 約39,000〜84,000円 |
※1名あたりの概算。時期・人数・宿のプランによって変わる。
上の行程に出てくる場所を、もう少し詳しく。
長さ13m、重さ5.2トンの大しめ縄がかかる。本殿とは別の建物で、しめ縄の大きさは実際に見ないと伝わらない。参拝は二礼四拍手一礼と作法が異なる。
拍手は4回。他の神社と違うので覚えておく
砂浜の先に立つ弁天島のシルエットと、その背後に沈む太陽。冬は島の左手、夏は右手に沈むため、季節で構図が変わる。
日没30分前には着く。冬は風が強いので防寒を
1903年に建てられた石造灯台としては日本一の高さ。内部の螺旋階段を登ると展望台に出られ、日本海と断崖が見渡せる。周囲は遊歩道になっている。
登れる時間が決まっている。夕日と両立させるなら先に登る
朱塗りの社殿が鮮やかで、出雲大社の落ち着いた色調とは対照的。上下2つの社からなり、天照大御神と素盞嗚尊を祀る。海のすぐそばに建つ。
灯台とセットで回れる。徒歩10分ほど
出雲大社の本殿裏にある社。稲佐の浜の砂を持参して納め、そこにある砂を持ち帰るという習わしがある。本殿の真後ろにあたり、訪れる人は少ない。
先に稲佐の浜で砂を取ってから参るのが順序
楽天トラベルに掲載されている実在の宿から選んでいる。料金・空室は各宿のページで確認できる。





夕日を目的にするなら、空気が澄む秋から冬が最も条件がいい。ただし冬の日本海側は曇天と雨の日が多く、見られる確率そのものは高くない。春と秋は気候が穏やかで参拝も歩きやすい。旧暦10月(新暦11月頃)は神在月にあたり、全国の神々が集まるとされる神事が行われ、参拝客が最も増える。夏は日が長く、日没が19時を回るため行程に余裕が出る。
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写真:Raita Futo from Tokyo, Japan/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)