
鵜ノ崎海岸が「日本のウユニ塩湖」と呼ばれるのは、遠浅の岩盤が広く、条件が揃うと水面が空を映すから。ただし条件は3つ重なる必要がある。干潮であること、風がないこと、そして夕方であること。潮見表を見ずに行くと、ただの海岸に着く。日帰りではこの3つを合わせにいけない。この記事では東京からの動き方、潮の読み方、入道崎や男鹿温泉と組み合わせた2泊3日の組み立てを示す。
男鹿は、行き先を決めるより先に「どこが何の役割か」を掴んだほうが早い。2泊3日で全部は回れないので、下のうち3〜4か所に絞るのが現実的。
男鹿半島の南岸にある遠浅の海岸。岩盤が沖まで続き、干潮時には数百メートル先まで歩ける。水が薄く残ると空を映して鏡になる。駐車帯があり車を停めやすい。
男鹿半島の最北端。白と黒の縞模様の灯台が草原に立ち、周囲に高い建物がない。日本海に沈む夕日を遮るものなく見られる。食事処が数軒ある。
半島の北側にある温泉地。宿が集まり、なまはげ太鼓の実演が行われる。鵜ノ崎からは車で40分ほど離れるが、この旅で最も宿の選択肢が多い。
JR男鹿線の終点があり、レンタカーの拠点になる。近年は宿や食事処が増えた。鵜ノ崎海岸まで車で15分と近い。
優先するものを変えた3本。そのまま使っても、いいところだけ抜き出して組み替えてもいい。時刻はすべて目安。
初めて男鹿を訪れ、半島全体を見たい人
秋田新幹線で秋田駅へ約4時間。駅でレンタカーを借り、男鹿半島へ向かう。
半島の付け根にある回転展望台へ。八郎潟の干拓地と日本海が同時に見え、これから回る場所の位置関係が頭に入る。
面の実物と実演を見る。男鹿がなぜなまはげの土地なのかが分かる。
半島北側の温泉地に入る。夕食は石焼料理など地の魚が中心。
半島最北端へ。草原と縞模様の灯台、その先の日本海。朝は光が柔らかく人も少ない。
ゴジラ岩や大桟橋など、奇岩が続く海岸線を走る。運転そのものが見どころになる区間。
港町で魚を食べる。午後の干潮時刻をここで最終確認する。
干潮に合わせて海岸へ。岩盤の上を沖まで歩き、小豆岩まで近づく。水が薄く残っていれば鏡になる。
条件が揃えば、夕日の色が水面に反転して映る。この旅の核心。宿へは暗くなってから戻る。
前日に条件が外れていたら、朝の干潮を狙う。良い日に当たっていれば、時間帯の違う海岸を見る。
レンタカーを返す前に土産を買う。しょっつるや魚の加工品が中心。
帰路の途中で稲庭うどんやきりたんぽを取る。
秋田新幹線で戻る。指定席を先に押さえておきたい。
鏡張りを撮ることが第一目的の人
秋田経由で男鹿へ。到着後すぐ潮見表と天気を確認する。
初日は条件を問わず現地を歩く。どこに岩盤があり、どこに水が残るかを把握しておく。
条件が合えばこの日に撮る。合わなければ場所の確認だけで切り上げる。
海岸に近い宿を取り、翌日の干潮時刻に即応できるようにする。
朝側に干潮が来る日程なら、人のいない海岸を歩ける。朝は風が弱いことが多い。
入道崎、ゴジラ岩、寒風山。次の干潮まではこちらに充てる。
2回目の勝負。前日の下見が効いて、立ち位置を迷わない。
晴れて無風なら、この時間が最も色が出る。
遅い時間の食事に対応してもらえる宿を選んでおく。
3日目の朝が最後の機会。ここまでで撮れていれば、無理せず海岸を歩くだけにする。
半島の突端で日本海を見て終わりにする。
レンタカーを返し、昼食と土産。
新幹線で戻る。
条件待ちに疲れたくない人、食事を旅の中心にしたい人
急がず出る。この行程は撮影を目的にしないので、天候に左右されない。
到着後すぐ宿へ。湯に入って移動の疲れを取る。
温泉郷で行われる実演を見る。宿から歩いて行ける距離。
熱した石を桶に入れて汁を沸かす男鹿の郷土料理。宿で出るところが多い。
朝の光の中で灯台と草原を歩く。急がない。
港の食事処で魚を食べる。この行程では食事に時間をかける。
条件は問わない。遠浅の海岸を歩くだけでも十分に気持ちがいい。
別の宿に移ると、料理も湯も変わって2泊が単調にならない。
最終日は宿で過ごす時間を長く取る。
天気が良ければ展望台へ。悪ければ男鹿駅周辺で買い物。
レンタカーを返して駅へ。
新幹線で戻る。
| 交通(東京〜男鹿 往復・レンタカー含む) | 約28,000〜42,000円 |
|---|---|
| 宿泊(2泊・1名) | 約12,000〜44,000円 |
| 食事(3日分) | 約9,000〜16,000円 |
| 入館料・入浴など | 約2,000〜4,000円 |
| 合計の目安 | 約51,000〜106,000円 |
※1名あたりの概算。時期・人数・宿のプランによって変わる。
上の行程に出てくる場所を、もう少し詳しく。
干潮で岩盤が露出し、その上に薄く水が残ると水面が空を映す。人が立つとシルエットが反転して写る。晴れた日の夕方が最も色が出る。
干潮時刻の前後1時間が勝負。潮見表を必ず確認する
鵜ノ崎海岸の沖にある丸い巨岩が並ぶ一帯。干潮時に歩いて近づける。鏡張りの手前に配置すると写真の奥行きが出る。
岩は滑る。濡れてもいい靴で
草原の先が断崖になり、その向こうが日本海。北緯40度のモニュメントがある。遮るものがなく、水平線に日が落ちる瞬間まで見届けられる。
日没時刻の30分前には着いておきたい
男鹿のなまはげ行事を伝える施設。実際に使われた面が並び、伝承館では民家の座敷でなまはげの所作が再現される。観光向けだが迫力がある。
実演は時間が決まっている。先に確認して組み込む
半島の付け根にある標高355mの山。頂上の展望台が回転し、八郎潟の干拓地と日本海、半島全体が見渡せる。地形の成り立ちが一望で分かる。
冬季は閉鎖される。訪問期間を確認する
楽天トラベルに掲載されている実在の宿から選んでいる。料金・空室は各宿のページで確認できる。





鏡張りが最も出やすいのは、風が弱く日が長い4月から10月。特に夕方の干潮が重なる日を選びたい。夏は日本海に沈む夕日が最も 北に寄り、入道崎の景色が良い。秋は空気が澄んで水平線がはっきりする。冬は北西の季節風が強く海が荒れるため鏡張りはほぼ望めないが、荒波と雪の景色、そして本来のなまはげ行事の季節でもある。
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写真:https://www.flickr.com/photos/kuruman//CC BY 2.0(Wikimedia Commons)